ギターとウクレレの違い
「ギターとウクレレってどう違うの?」の思っているあなたへ
ウクレレの発祥
ギターの種類についての詳しい説明は「子供用のギターの選び方」を参照して下さい。
ウクレレはアメリカのハワイに移住したポルトガル人が「ブラギーニャ」という民族楽器を持ち込み、
のちにマヌエル・ヌナスという人が改良して開発したハワイの楽器です。
「ウクレレ」という言葉はハワイ語で「飛び跳ねる(lele)」という言葉と「ノミ(ʻuku)」という言葉が合体し、
「飛び跳ねるノミ」=ウクレレという楽器名になったと言われています。
ちなみにこのノミは絨毯などに生息する「ノミ」です。
小さな楽器の上に演奏者の指が凄まじく動いている姿は、ノミが飛び跳ねているイメージなので「飛び跳ねるノミ」=ウクレレとなりました。
ウクレレとはどんな楽器なのか?
ウクレレはギターを小さくした感じの楽器ではありますが、ギターとは似て異なる楽器です。
ギターは弦が6本なのに対し、ウクレレは弦が4本です。
そして弦の長さ(弦長)も違うので、音の伸びが違います。
当然、ギターの方が弦が長く張られているので音が良く伸びます。
ウクレレは弦の長さが短いので音があまり伸びません。
そしてウクレレには実は大きさにより種類が4種類あります。
① ソプラノウクレレ(最もポピュラーなウクレレ)
② コンサートウクレレ
③ テナーウクレレ
④ バリトンウクレレ
ギターとウクレレではチューニングや、指板の各ポジションでの音の配置が全く異なります。
しかしながら、ギターの5フレットをセーハをした時に4弦がソ、3弦がド、2弦がミ、1弦がラになり、
この配置がソプラノウクレレの4弦から1弦の開放弦と一致します。
ギターには低い音を出す低音弦が4弦、5弦、6弦にありますが、
ギターと違いソプラノウクレレには低音弦(巻弦)はありません。
ソプラノウクレレ
ハワイやグアムのお土産としても販売されており、最もポピュラーなサイズのウクレレがソプラノウクレレです。
別名を「スタンダードウクレレ」とも言われており、ウクレレといえばソプラノウクレレになります。
これより以下~最後まで記載する内容はソプラノウクレレに関する事だと思って下さい。
ギターとウクレレの音の配置
<ギター>
ギターは1弦開放弦がミ、2弦開放弦がシ、3弦開放弦がソ、4弦開放弦がレ、5弦開放弦がラ、6弦開放弦がミとなっています。
<ウクレレ>
ウクレレは1弦開放弦がラ、2弦開放弦がミ、3弦開放弦がド、4弦開放弦がソとなっています。
上記の画像を見比べて頂けたらお分かりだと思いますが、ギターとウクレレでは開放弦や各フレットでの音の配置が全く異なりますので、
ギターが弾けたからと言ってウクレレがすぐに弾けるとは限りません。ウクレレの音の配置を覚えないといけません。
ギターとウクレレのコードの押さえ方の違い
<ギターでCを押さえる場合>
5弦3フレットの(ド)を薬指、4弦2フレットの(ミ)を中指、2弦1フレットの(ド)を人差し指で押さえます。
<ウクレレでCを押さえる場合>
1弦3フレットの(ド)を任意の指で押さえます。
上記の画像を見比べても、やはりコードの押さえ方も全く違いますので、ギターのコードとは別にウクレレのコードを覚えなければなりません。
ただし基本的な構造は非常に似ているので、ギターが弾ける人はウクレレの上達も早いと思います。
お子様にギター、ウクレレのどちらを習わすのか?
西尾ギター教室のお子様の体験レッスンで親御さんからよくある質問の一つに、
「この子は年齢も若く、体が小さいのでギターを習う前にウクレレから習わせた方が良いでしょうか?」
と聞かれます。この質問に対して結論を言いますと、
お子さんが「ギターを弾きたい」と仰られたらギターを習わせるのが良いと思います。
そして、お子さんが「ウクレレを弾きたい」と仰られたらウクレレを習わせるのが良いと思います。
これはお子さんの気持ち次第です。
ただし、お勧めできないことがあります。それは・・・
「お子さんがギターを弾きたいと言っているにも関わらず、体が小さいという理由だけでウクレレから習わすこと」です。
理由をお話します。
年齢が3歳~6歳のお子さんは体も小さく、手も小さいです。
お子さんがギターやウクレレを構えた時にギターの低音弦(4、5、6弦)やウクレレの3、4弦には物理的に指が届きません。
必然的に、指が届く1弦と2弦(ギター、ウクレレの両方とも)しか実質的に弦を押さえる事が出来ません。
仮にウクレレから始めたとしても1弦の音の配置がギターとウクレレでは全く違うのです。
ウクレレの1弦開放弦はラ、ギターの開放弦はミです。
ウクレレの1弦1フレットはシ♭、ギターの1弦1フレットはファです。
以上のように、ウクレレのポジションを覚えた後にギターに変更した場合、もう一度音の配置を覚え直さなければなりません。
しかも全ての弦、全てのフレットです。きっとお子様は嫌になるでしょう。
今は3歳~6歳用にヤマハから小さいサイズのギターで「ギタレレ」というギターが販売されています。
お子様が「ギターを弾きたい!」と仰られましたらウクレレから習わすのではなく、最初からギターで始めましょう。
体や手が小さくてもギタレレで大丈夫です。
ウクレレで演奏する曲のジャンル
ウクレレはハワイの楽器ですので演奏する曲のジャンルはハワイアンだけだと思っている方も多いと思いますが実は違います。
ギターと同じくJ-POPをコードで弾き語りも出来ますし、クラシックギターのようにクラシック音楽を弾く事も出来ます(※ただし、演奏出来る曲は限られています)
ウクレレソロというウクレレオリジナル曲も存在し、ウクレレ奏者のジェイク・シマブクロさんなどが有名です。
ギターとウクレレの決定的な違い
ギターとウクレレの違いをまとめてみました。
① 弦の本数が違う(ギターは6弦、ウクレレは4弦)
② ギターは低音弦があるがウクレレには基本的には低音弦がない(LOW-Gの4弦を張ったり、バリトンウクレレには低音弦があります)
③ ウクレレには低音弦が無いので、音がギターに比べて軽い。
④ 開放弦の音、各フレットでの音の配置が違う。
⑤ コードの押さえ方が違う。
⑥ 楽器の大きさが違う。
⑦ 弦の長さ(弦長)が違う。
ギターとウクレレの違いをまとめてみましたが、上記を読むとウクレレを否定しているように捉えられるかもしれません。
しかし実はそんな事はありません。ウクレレは本当に素晴らしい楽器です。
ウクレレを弾くメリット
① ウクレレは存在自体が可愛らしい。
② 軽くて小さいので持ち運びが便利。
③ 一人で出来る趣味である。
④ 可愛らしい音がする。
⑤ 様々なジャンルの音楽が弾ける。
⑥ 弾き語りが出来る。
⑦ 音がそんなに大きくないので近所迷惑にならない。
⑧ ウクレレが弾ければみんなの人気者!ウクレレが嫌いな人なんてこの世には存在しないはず・・・(笑)
まとめ
今回はギターとウクレレの違いについて書いてみました。
それぞれに違いはありますがギター、ウクレレともに素晴らしい楽器です。
それぞれに良い所がありますので、「ギターを弾きたい」と思ったらギターを、
「ウクレレを弾きたい」と思ったらウクレレを弾くのが良いと思います。
また、親御さんがご自分のお子さんにどちらを習わせるのか悩んだら上記に書かれている事を参考にして下さい。
公開日: