チューナーの使い方
「チューナーを買ったけど使い方が分からない・・・」とお悩みのあなたへ
そもそもチューナーとは?
正式名称をチューニングメーター、略してチューナーと言い、チューナーはギターの音を合わせる機械の事を指します。
そして音を合わせることを「チューニングする」と言います。
現在、販売されているチューナーは上記の画像にある2つが主流だと思います。
今回のコラムではチューナーの使い方について詳しく説明したいと思います。
チューナーの使い方が分からない人の悩み
「チューナーを買ったけど使い方が全く分からない」
「ギターを弾いて、チューナーの針が真ん中にくればいいの?」
「針が真ん中に来るまでギターのペグを回したら、弦が切れてしまった」
「ギターのペグをいくら回してもチューナーの針が真ん中に来ない」
「そもそもギターのペグをどっちに回せば良いの?」
これらの悩みをこれから解決させて頂きます。
音叉
チューナーは基本的に電池を入れて作動しますので家電とも言えます。
その昔、チューナーが開発される前は画像の「音叉」(おんさと読みます)と呼ばれる物でギターの音を合わせていました。
アルファベットのUの字の下の部分を手で持って、Uの字の所を堅い物に軽く叩いて音叉自体の音を聞いて合わせていました。
音叉にも種類がありますが、基本的には「ラ」=ギターの5弦の開放弦と同じ音が出て、5弦を合わせた後に他の弦を合わせていました。
しかしこのの音叉を使用する為にはデメリットがありました。
<音叉のデメリット>
① 音を区別出来る耳を持っていないといけない。
② 基本的に5弦しか合わす事が出来ないので、他の弦は音叉で合わせた5弦に合わせなければならず、面倒くさい。
このように、たとえ音叉で5弦を合わせることが出来ても、他の弦は音叉では合わせることが出来ないので、
結局は音感がある人にしか使いこなせませんでした。
ピッチパイプ
画像を見て頂けましたらお分かりかと思いますが、笛です。
音叉とは違い、6弦全ての音が笛を吹いたら分かります。
ただしこのピッチパイプも音感がないと音が合っているのかは分かりません。
しかし音叉よりは使いやすかったと言えるでしょう。
初期のチューナー
初期のチューナーは本体も大きく、乾電池も9V電池を使用しないといけませんでした。
また電池の消費も激しく、たとえOFFにしていても本体と9V電池を接続したままにしていると、乾電池はすぐになくなりました。
改良されたチューナー
改良されたチューナーでは9V電池は使用されず、単四電池を使用するチューナーがほとんどです。
またエレキギターにも使用出来るように、シールドのジャックの差し込み口が2か所あります。
インプットとアウトプットの差し込み口があります。
インプットにシールドのジャックを差し込み。反対側のジャックをエレキギターの本体に差し込み、使用します。
もちろんアコースティックギターやクラシックギターの生音もチューナーに内蔵されているマイクが拾ってくれてチューニングしてくれます。
今でも500円~1000円くらいで販売されています。
現代のチューナー
現在、チューナーの主流と言えば、上記の画像のチューナーです。
別名「クリップ式チューナー」とも言われ、ギターのヘッド部分に挟み込んでチューニングします。
クリップ式チューナーの利点は周りが他の音を出していても惑わされず、装着しているギターだけの音を拾い、チューニングしてくれます。
初期のチューナーや、改良されたチューナーは周りの音も拾ってしまうために、静かな場所でしかチューニングが出来ませんでした。
しかしクリップ式チューナーは周りが他の音を出していても惑わされず、装着しているギターだけの音を拾い、チューニングしてくれます。
クリップ式チューナーは1000円~3000円くらいで販売されています。
スマホアプリ チューナープロ
スマートフォンやiPhoneの無料ダウンロードアプリ「チューナープロ」はかなりの優れものです。
アコースティックギターやクラシックギターのチューニングに関してはチューナープロでも十分だと思います。
スマートフォンやiPhoneのマイクを使用してチューニングが出来ます。
チューナーを使用する時の準備
さて、それでは実際にチューナーを使用してみましょう。
今から行う説明は、改良されたチューナーでもクリップ式チューナーでも、どちらでも大丈夫です。
まずは電源をONにしましょう。そして周波数が440HZになっているかを確認して下さい。
ギターは通常は周波数440HZで演奏します。
この時に周波数が441HZや439HZになっている場合は周波数を変えれるボタンを数回押して440Hzに合わせて下さい。
余談ですがピアノやフルートは通常の周波数は442HZです。
ですのでフルートやピアノと一緒に演奏する時はチューナーの周波数を442HZに変換してチューニングします。
また、電源ボタンを数回押すと、チューナーのタイプによってはG→V→U→C→Bなどと変わるチューナーもあります。
実はチューナーによっては様々な楽器に対応しているチューナーもあります。
G・・・ギター
V・・・バイオリン
U・・・ウクレレ
C・・・クロマティック(※これは無視して下さい)
B・・・ベース
ですので、ギターをチューニングしたい場合は必ず「G」に合わせて下さい。
さて、電源をONにしたらクリップ式チューナーはギターのヘッド部分に装着して下さい。
通常のチューナーは膝の上に置き、チューナーとギターのボディが接するようにしましょう。
<クリップ式チューナー>
クリップ式チューナーをしようする場合は必ず「PIEZO」に合わせてから使用して下さい。
<通常のチューナー>
これで準備が出来ました。
ここで皆さんに知っておいて頂きたい事がございます。
ドレミファソラシドという言葉(音階)は皆さんはご存知だと思います。
このドレミファソラシドをアルファベットに変換出来ますか???
恐らくご存知ない方もおられますので書いておきます。
ド・・・C
レ・・・D
ミ・・・E
ファ・・F
ソ・・・G
ラ・・・A
シ・・・B
ド・・・C(最初のドと同じです)
実はドレミファソラシドという音階はイタリア語です。ドレミファソラシドを日本語(日本音名)に変換するとハニホヘトイロハ、
英語に変換するとCDEFGABCになります。
そしてチューナーの表記はCDEFGABCになります。
ギターのチューニングが合っている状態の音は6弦はミ(E)、5弦はラ(A)、4弦はレ(D)、3弦はソ(G)、2弦はシ(B)、1弦はミ(E)
になります。
6弦をチューニング
どの弦からチューニングしても良いのですが、分かりやすいように6弦からチューニングしていきたいと思います。
6弦はギターを構えた時に一番上にある一番太い弦です。ギターを立てて正面から見た時は一番左端の弦が6弦です。
では6弦を弾いてみましょう。6弦はE(ミ)ですので「E」が表記されなければなりません。
画像のように針が真ん中にくればチューニングが合っているということです。
また、通常のチューナーでは真ん中のランプのみが光ればチューニングが合っているということです。
下の画像のように「6E」と表記されるチューナーもあります。これは6弦ミ(E)ですよ、という意味です。
針が真ん中より左にあれば音がまだ低い状態にあります。上げてあげましょう。(ペグを時計回りに回す)
逆に針が真ん中より右にあれば音が高すぎる状態にあります。下げてあげましょう。(ペグを反時計回りに回す)
ギターの弦の音程の上げ下げは、ヘッドの部分にあるペグを回して調整します。
ギターのヘッドを正面から見て、ヘッドに付いているペグを時計回りに回したら音が上がります。
反対に、ペグを反時計回りに回すと音は下がります。
同様に他の弦も合わせます。5弦なら「A」4弦なら「D」3弦なら「G」2弦なら「B」1弦は6弦と同じで「E」です。
しかし、ここで問題があると思います。
チューナーの問題点
そもそもチューナーを使用する段階でギターの音が滅茶苦茶だった場合どうするのか?
音感が無い人でもチューナーを使えば音を合わせられるのではなかったのか?
そのような問題に直面すると思います。
一番良い方法は面倒くさいですが、ペグを反時計回りに目いっぱい回して、音をかなり下げて下さい。
そしてゆっくりとペグを時計回りに回して音を上げていって下さい。
6弦なら「E」5弦なら「A」4弦なら「D」3弦なら「G」2弦なら「B」1弦は6弦と同じで「E」が表記されるまで、
また針が真ん中に来るまで焦らずゆっくりとペグを時計回りに回して下さい。
これが最も確実な方法です。これなら音を上げ過ぎて弦を切ってしまう危険もないでしょう。
まとめ
チューナーを使用して音を合わせる事自体、慣れていない人にとっては難しい事だと思います。
出来ればギターの先生に直接チューニングのやり方を教わるのが一番良いのですが、
周りにギターの先生やギターが上手な人がいない場合は上記の事に注意して、何度もチューニングをして下さい。
チューナーを使用してのチューニングは「慣れ」の部分も大きいです。
音感が無い人でも、チューニング回数を重ねれば必ずチューニングが出来るようになります。
なぜそう言えるのでしょうか?
ここでたとえ話をします。
あなたにお子さんがいるとします。あなたは今から目隠しをされます。
目の前に20人いて、その中の一人があなたの息子さんです。
一人ずつが声色を一切変えずに「お母さん、僕があなたの息子です」と言います。
あなたは自分の息子を言い当てれますか?
恐らく言い当てれると思います。声色を変えられたら無理だと思いますが、声色を変えなければ当てれると思います。
何年も一緒に生活を共にされてきたので当てれるはずです。
音感というのは0歳~8歳の間に音楽教育を受けた人にだけ身に付くものだと言われています。
その年齢が一番耳が発達し、およそ8歳で耳の発達は終わると言われています。
特に絶対音感を身に付けようと思ったら2歳~7歳の間にトレーニングをしなければなりません。
しかし、上記の例え話のような場合、自分に子供が出来るのは大人になってからです。
それでも自分の子供の声は分かると思います。
ですからチューニングも同じく「慣れ」の部分が大きいです。
しょっちゅうギターに触りチューニングをしていたら、1弦~6弦の開放弦の音はだいたい分かってきます。
だいたいで良いのです。だいたい分かれば、後はチューナーで微調整すれば良いだけです。
最後になりましたが、恐らく近い将来チューナーは無くなると思います。
実はギター本体にチューナーが内蔵されているギターがもう既に販売されており、
ボタンを押すと、自分でペグを回さなくともギターが自動的にペグを回してチューニングしてくれるギターが販売されています。
あと数年もすれば恐らく全機種、全メーカーのギターにこの装置が付属されるでしょう。
それまでの間はチューナーを使用してチューニングしていきましょう。
公開日:
最終更新日:2017/03/07