ギターは中古でも良いのか
新品のギターと中古のギター、どちらが良いの?・・・とお悩みのあなたへ
ギターの購入は新品?中古?
ギターを購入する時、新品で買うのか。中古で買うのか悩みますよね。
今回のコラムでは新品と中古の違い、それぞれのメリットデメリットなどについてお教えしたいと思います。
新品、中古共に見るべきポイントも併せてお伝えしたいと思います。
新品のギターのメリットデメリット
<メリット>
① 新品である。
② 保証がある。
③ 当たり外れはあるが、故障したら修理をして貰える。
④ ナットやフレット、接続部分も新品
⑤ たとえ壊れても発売時期が新しいので部品がある。
⑥ 壊れる可能性が低い。
<デメリット>
① 中古のギターに比べて価格が割高。
② 弾き込んでやらないといけない。
新品のギターは工場や製作家の手によって丁寧に完成された状態で楽器店に入荷され、
更に楽器店の店員が丁寧に検品するので安心です。ですので不良品、不具合がおきる可能性が低いといえます。
たとえ不良品があっても保証期間内でしたら無料で返品交換に応じて下さり、
部品も工場にあることがほとんどなので安心ですね。
中古のギターのメリットデメリット
<メリット>
① 新品のギターに比べて値段が安い。
② 絶版のギターに出会えることがある。
③ 状態の良いギターに出会えたら新品で買うよりもお得。
④ 前のオーナーが丁寧に弾き込んでいる場合はお得。
<デメリット>
① 保証がない。もしくは保証期間が短い。
② 状態が良いギターかどうかの判断は素人には難しい。
③ 部品が劣化している場合がある。
④ エレキギターの場合、目に見えないボディ内部の電気配線が壊れていないか分からない。
⑤ 故障した場合、生産終了品だとメーカーに部品がない。
⑥ 前のオーナーが乱雑に扱っていた可能性がある。
購入代金は中古ギターの方が安いですがネックが反っていたり、フレットが劣化していたり、
錆びていたり、エレキギターの場合は電子部品が劣化している可能性も考えられます。
新品ギターをネット通信販売で買わない方が良い理由
新品のギターを楽器店で実際に行って購入するより、同じギターをネット通販で購入した方が安いのですが、
ここには大きな落とし穴があります。
楽器店の場合、新品のギターは工場や製作家の手によって丁寧に完成された状態で楽器店に入荷され、
更に楽器店の店員が丁寧に検品し、それから販売します。
お客さんが購入する時も不具合が無いのかチェックしますし、弦のチューニングもしてくれます。
一方、ネット通販のギターは新品のギターは工場から出荷された状態のまま、そのまま検品せずに販売されることがほとんどです。
大量発注、大量販売ですね。人件費などのコストが掛からない分、安く販売していますが、不良品や不具合が出る場合が多く、
実は私の妹がネット通販でクラシックギターを購入した事がありますが酷いギターでした。
新品のギターにも関わらずネックは反っている、弦はきちんとチューニングされず弦の張り方も適当、弦は錆びていて、
弾いたらフレットにビビりがあり、「ビーン」と余計な音がしました。
ネックの反りの原因は恐らく保存状態が悪かったのでしょう。
暑かったり寒かったり極度の温度変化がある倉庫に保管されていたことが原因だと推測します。
楽器店が直接販売する場合、このような事はあり得ません。なぜなら納品された時点で厳しくチェックするからです。
当たり前ですが、不良品があれば店に並ぶ前に返品します。お店としましてはお客さんからクレームが入るのが一番困るからです。
楽器店で購入した方がネット通販で購入するよりも割高にはなりますが、後々の事を考えると楽器店で直接購入した方が良いと言えるでしょう。
これは中古のギターを購入する時にも同じことが言えます。
中古ギターを購入する時に見るべきポイント
ここでは中古ギターを購入する時に気を付ければならないポイントをお教えします。
<アコースティックギターやクラシックギター>
① ネックは反っていないか
② ペグは滑らかに回るか、壊れかけていないか
③ フレットは劣化していないか
④ ブリッジ、ナットは劣化していないか
⑤ 表面板、横板、裏板は割れていないか
⑥ 力木は外れていないか
⑦ 弾いてみてビビりはないか
⑧ 楽器店の店員の対応は丁寧なのか。
上記8点に加えてエレキギターの場合は以下の事にも気を付けて下さい。
⑨ ブリッジやジャックの差し込み口に錆はないか。
⑩ シールドを接続した時にガリはないか、また音はきちんと出るのか。
⑪ ボリュームなどのツマミはきちんと作動するのか。
⑫ アームの差し込み口は劣化していないか。
① ネックは反っていないか
ネックが反っているのかを判断する方法をお教えします。
ネックの反りには「順反り」と「逆反り」の二種類があります。
新品で購入した場合、ネックが反っていることはまずないと思いますが、中古ギターの場合はネックが反っている場合があります。
少し順反りになっている場合は大丈夫ですが(極度の順反りはダメです)逆反りは絶対にダメです。
<ギターの「反り」を見る方法>
まずはギターのボディを両足で挟み込み、画像のような状態にします。
ギターのヘッド部分に自分の頭の左側を押し当て、右目を瞑り、左目のみでギターのネックの15フレットあたりから1フレットまでのラインが真っすぐかを見ます。
上記の画像は左目でみた時の画像です。この状態でネックが反っていないか、まっすぐなのか判断しましょう。
② ペグは滑らかに回るか、壊れかけていないか
ペグとは弦の音程を上げ下げするツマミのことを言います。
丁度画像の手が握っているのがペグです。
このペグが劣化していないか、ギーギーと音がしないかチェックしましょう。
時々、壊れていてきちんと回転しないペグもあります。
③ フレットは劣化していないか
フレットが10円玉が錆びた時のような青錆びが付いていることがあります。
また長年使用されたギターのフレットは劣化しており、場合によってはくぼんでいたり、凹んでいたりします。
フレットの打ち変えは2万円くらいしますので高額です。
フレットが劣化していないギターを選びましょう。
④ ブリッジ、ナットは劣化していないか
ブリッジ部分やナット部分が割れていたり、ヒビが入っていないか厳しくチェックしましょう。
⑤ 表面板、横板、裏板は割れていないか
アコースティックギターやクラシックギターのボディは木で出来ています。
しかも中が空洞になっており、木が割れやすくなっています。
表面板、横板、裏板は割れていないか、またヒビが入っていないのか厳しくチェックしましょう。
⑥ 力木は外れていないか
ギター本体を支える「力木」というものがギターの表面板の裏側に付いています。
力木は割りばしを少し細くしたようなもので表面板の裏側に8本前後付いています。
これは直接、目で見ることは出来ません。
では、どのようにしてチェックするのでしょうか?
右手をジャンケンのグーにして下さい。その拳で表面板を軽く叩いて下さい(※本当に軽くですよ!)
コンコン・・という音がしたら大丈夫です。逆に「ビーン」と言ったら力木が外れている可能性があります。
⑦ 弾いてみてビビりはないか
中古のギターを購入する時は絶対に試奏して下さい。試奏せずに購入するのは非常に危険です。
試奏した時に、ビビりがないのかを確認して下さい。
「ビビり」とはギターを弾いた時に、弦が関係のないフレットに当たって「ビリビリ」という事です。
例えば2弦1フレットを弾いたとします。音がビりついたとします。
それは恐らく2弦2フレットが関係ないのに弦に軽く接触しビリビリと音が出る場合があります。これを「ビビり」と言います。
「ビビり」がないか、きちんと弾いて確かめて下さい。
⑧ 楽器店の店員の対応は丁寧なのか。
これはギターだけに限らず何かを購入する時すべてに言える事だと思います。
楽器店の店員は丁寧に説明してくれたか、保証はあるのか、
何か困ったことが起きた場合には相談に乗ってくれるのかを
きちんと見極めましょう。
⑨ ブリッジやジャックの差し込み口に錆はないか。
画像のように、劣化して錆びついたブリッジやジャックの挿入口は、音がならない場合や「ガリ」の原因にもなります。
錆びていないかチェックしましょう。
⑩ シールドを接続した時にガリはないか、また音はきちんと出るのか。
「ガリ」というのはお寿司に付いているピンク色の生姜・・・ではありません。
ギターにシールドを接続し、そのシールドをアンプに接続し、音を鳴らします。
接続した状態でシールドを軽く回す(横に揺らす)、回してみて下さい。
その時にアンプから「ガリガリ」と音がすることを「ガリ」と言います。
しかしこの「ガリ」はシールドに問題がある場合が多く、
良いシールドを装着してもなお「ガリ」が発生する場合は、ギター本体に原因がある可能性があります。
また、きちんと音が鳴るのかも確認して下さい。
⑪ ボリュームなどのツマミはきちんと作動するのか。
ボリュームのツマミやピックアップの切り替えスイッチが正常に機能しているのかを確かめて下さい。
この部分が中古では一番劣化している可能性があります。
⑫ アームの差し込み口は劣化していないか。
アームを差し込み口に差し込んで回してみて下さい。
きちんとはまったら、アーミング(アームを使用してビブラートを掛ける奏法)出来るか試してみて下さい。
ヤフオクなどで中古ギターを購入しない方が良い理由
ヤフオクなど、楽器店を通さず個人売買した方が値段も安く掘り出し物が見つかる可能性もあります。
しかし「どうしてもあのギターが欲しい」というギターがある場合を除いて、ヤフオクなどでは中古のギターを購入しない方が良いと思います。
① 写真では状態を確認するのはほぼ不可能。
② 「ノークレームノーリターンでお願いします」がほとんどなので保証がない。
③ 購入した後に部品が壊れても、メーカーに部品が無い場合がある。
④ 結局はお店で購入した方が良かったと後悔する事が多い。
リサイクルショップで中古ギターを購入しない方が良い理由
ヤフオクなどと同様に、リサイクルショップで購入すれば値段も安く掘り出し物が見つかる可能性もあります。
リサイクルショップなどでは中古のギターを購入しない方が良いと思います。
① リサイクルショップは他の様々な商品(家電、服、玩具など)も同時に扱っているので、店員にギターの知識は全くない。
② 保証がない場合がほとんどである。
③ 壊れていても素人に判断するのは、ほぼ不可能。
まとめ
もしあなたにギターの知識がある場合は中古のギターでも良いでしょう。
しかしあなたにギターの知識が無い場合は、中古のギターを購入する事はお勧め出来ません。
購入したものの、修理などで結局は新品を購入した方が安い場合があります。
それでも中古でギターを購入される場合は、知識がある人に同行して貰ってよく見て貰って下さい。
それも出来ない場合は、上記に書かれている12項目を必ず読んで守ってください。
しかしこの12項目も知識がある人にしか実行できず、なかなか難しいと思います。
以上、ギターを中古で購入するポイントについて書かせて頂きました。
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