箕面市・豊中市の子供向けのギター教室です。

   箕面市・豊中市の西尾ギター教室

クラシックギターは独学で上手くなるのか

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そもそも「クラシックギターが弾ける」の定義

よく生徒さんや保護者の方に「どれくらいの期間でギターを弾けるようになりますか?」
と質問されますが、「ギターを弾ける」という定義は人それぞれだと思います。
例えば西尾ギター教室のクラシックギターのレッスンで例に上げますと、大きく分けて5つのクラスに分類されます。
① メロディーが弾けるようになった(入門)
② 簡単なギターソロ(カーノのエチュードなど)が弾けるようになった(初級)
③ 「禁じられた遊び」が弾けるようになった(中級)
④ 「アルハンブラの想い出」が弾けるようになった(上級)
⑤ バッハの「リュート組曲」ブローウェルの「ソナタ」が弾けるようになった(最上級)

「ギターを弾ける」という定義はやはり人それぞれだと思います。③番でも「ギターが弾けた」と思う人もいれば、
②番でも思う人もいると思います。年数や期間で「どれくらい」とは一概にはお答えしかねます。
ギターの上達には一人一人の音楽の能力や国語力、文章読解力、器用不器用、人間性、性格などが大きく関係してきます。

自分を省みて思う事

私は10代後半~20代終わりに掛けて約10年弱、先生にクラシックギターを教わりました。
先生のレッスンは良い意味でかなり細かい所までレッスンして下さり、しかもそれが徹底した理論と、長年の先生ご自身による演奏の研究に基づくものでした。
抽象的な表現はほとんどされず、「なぜ弾けないのか」「どうしたら弾けるようになるのか」を徹底して具体的に教えて下さいました。
ただ残念な事に先生が教えて下さった事の十分の一も、当時の私の頭では理解出来ませんでした。
これは私が今でも深く反省している事の一つでして、先生には申し訳なく思っています。
自分でギター教室を開講して18年、今度はギターの先生になり、お越し頂いている生徒さんの「弾けない」「弾けるようになりたい」に応える時、
先生がレッスンで仰られた言葉がよく蘇ります。
「先生があの時仰られた意味が今、ようやく分かった」とレッスンをしていてよく思います。
生徒さんには自分と同じ想いはして欲しくないので私も具体的なレッスンを心がけていますが、今度は私に「伝える力」がない事に気づき、
毎日レッスンでは、「伝える」ことよりも「伝わる」レッスンを心がけています。
これはギター講師にとっては重要なスキルでして、今でも毎日、悪戦苦闘しています。
生徒さんの表情を読み取り、生徒さんに伝わっていないと感じたら何度でも生徒さんが理解出来るように説明しています。
このように、ギターレッスンというのは生徒さんと先生双方の音楽の能力や国語力、文章読解力、器用不器用、人間性、性格などが重要になってきます。

クラシックギターを独学で練習する時の注意点

ギターを独学で習得する時に以下の5点が出来る人は独学でも習得が可能だと思います。
① 音楽経験、楽器経験はあるのか
② 反復練習に耐えれるのか
③ 文章読解力、国語力はあるのか
④ 手先は器用なのか
⑤ 力を抜いて、いかに楽に弾く事が出来るかを考えれるか
以上5点を自分に問うてみて下さい。

① 音楽経験はあるのか

音楽経験や楽器経験がある人の方がギターを独学で勉強する上では有利だと言えます。
特に楽譜(音符)が読めるか、また音感があるのかは非常に重要です。
楽譜が読める人は練習する曲の調(キー)が分かるので、調が分かるとその曲に出てくる和音(コード)がだいたい予想がつきます。
特にクラシックギターの場合、ギター曲は演奏可能な調は決まっています。
#系なら、ハ長調、ト長調、ニ長調、イ長調、ホ長調の#が4つまでとその平行調(イ短調やホ短調、ロ短調など)
♭系なら、ヘ長調、稀に変ロ長調、変ホ長調などと平行調のニ短調など。
ギターは#系の楽器です。♭が5つの曲などは弾きません・・・というか弾けません。
それぞれの調でよく出てくる和音は決まっているのでそれが分かる人は上達が早いと思います。
またピアノなどの他の楽器経験がある人も上達は早いと思います。

② 反復練習に耐えれるのか

ギターで大切なことの一つは反復練習です。
弾けない所を弾けるようにするには基礎練習などの反復練習は必要です。
ただ反復練習すれば良い訳ではなく、腕の位置、指の角度などに気を付けて反復練習が出来なければいけません。
そして一つ一つの反復練習には意味がありますので、その意味や効果を考えて反復練習をしましょう。

③ 文章読解力、国語力はあるのか

「ギター独学で習得する」=「ギター教室には通わない」
という事ではありますが、だからと言って教則本や解説書、教則ビデオや解説動画を見ずにギターを習得するのは不可能だと思いますし、
きっと独学で練習される方は教則本や解説書、教則ビデオや解説動画を見て練習をされると思います。
ここで大切なのが文章読解力、国語力です。
教則本がいったい何を言いたいのか、伝えたいのか、また教則ビデオの先生が言っている意味を正しく理解する国語力がないといけません。
確かに巷で売られている教則本や教則ビデオには酷い物もあります。そこは注意して下さい。

昔、西尾ギター教室に塾の先生をアルバイトでしている某国立大学の医学部の学生がギターを習いに来られていてこんな話を私にしてくれました。
「うちの塾にこられている生徒さんのお母さんが相談によく来られます。『うちの子、数学のテストがさっぱり出来ません』と言います。
しかしそれは大きな間違いです。数学が出来ないのではなく、それ以前の問題です。
数学の問題が何を言わんとしているのか、言い換えれば問題の意味を理解していない生徒さんがほとんどです。
数学が出来ない子は実は国語が出来ません。文章読解力が無いのです。ですから国数英理社の中で一番大切なのは国語です」

私はこれを聞いてとても納得しました。このような事は実はギターのレッスンをしていてもよくあります。
教則本が何を言わんとしているのか、自分に文章読解力はあるのかをよく考えてから教則本を読んで下さい。
しかし残念ながら、日本で販売されているギター教則本で良い教則本は2冊ほどです。
クラシックギターでお勧めするギター教則本はこの2冊です。
<セゴビアメソッド>
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<ホセルイス・ゴンサレス ギターテクニックノート>
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この二冊を購入し、特にホセルイス・ゴンサレス ギターテクニックノートに書かれている基礎練習を反復練習してみて下さい。

④ 手先は器用なのか

過去にピアノなどの楽器、又は裁縫などが得意な方はギターを弾く上で有利と言えるでしょう。
試しにギターを使用した以下の基礎練習をやってみて下さい。
① 1弦9フレットに人差し指、1弦10フレットの中指、1弦11フレットに薬指、1弦12フレットに小指を置いて下さい。
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② その状態から中指と小指を同時に上げて下さい。同時ですよ、一つずつではありません!
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③ 今度は人差し指と薬指を同時に上げて下さい。
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上の②と③を交互に素早く繰り返します。
この基礎練習は指の独立運動です。ギターを上手に弾くには左手各指が自分の命令通りに動けなければなりません。
この基礎練習が問題なく出来る人はギターを弾く上で、手先が器用と言えるでしょう。

⑤ 力を抜いて、いかに楽に弾く事が出来るかを考えれるか

ギターを練習するのには反復練習が必要だと上に書きましたが、もう少し具体的に言いますと、
意味のある効果的な練習を反復しなければなりません。
無意味な練習は時間の無駄であると同時に指や手を痛める原因にもなります。
手や指に負担を掛けると腱鞘炎という病になってしまいますので気をつけましょう。
ギターを弾く時に、目いっぱい力を入れて弾いている人をよくみます。
ギターは力を入れて弾くものではありません。力を抜いて演奏出来るように心がけて下さい。
例えば目いっぱい力を入れている状態をレベル10とします。
ギターを構えている状態をレベル1とします。
ギターを弾く時の力はレベル2、もしくはレベル3くらいの力で弾けなければなりません。
弾き始めたらレベル10の人がたくさんいます。それではダメです。曲の途中で手首などが痛くなり曲の終わりまできちんと演奏出来ません。

まとめ

ギターを独学で習得するには、その人それぞれ個人個人の音楽経験や、国語力や性格などによると上記に記載しました。
しかしながら、よほどの人でない限り独学で習得するのは、ほぼ不可能だと思います。
コードをジャカジャカと弾き語りをする位なら独学でも習得は可能だと思いますが、
クラシックギターはやはり難しい楽器ですので、そうやすやすとは独学でマスター出来るほど甘くはありません。
ギターオリジナル曲でしたらギタリストが作曲した物が多く、ギターで弾きやすいように作曲されていますが、
バッハなどはギターの為に作曲された曲ではないので、非常に弾きにくい曲が存在します。
そのあたりも理解しないといけません。
クラシックギターを緩く楽しみたい方は独学でも良いでしょう。
しかし本当にそれであなたは満足でしょうか?
自己流で練習をすると、腱鞘炎などの病を引き起こす原因にもなりかねません。
本気でクラシックギターを弾きたい方は、やはりきちんとした先生に習うのが一番良いと思います。
クラシックギタリストはそれこそ膨大なギター曲を練習し、研究しています。
そのようなギターの先生に習う方がやはりギターを習得するには近道だと思います。

公開日:
最終更新日:2023/05/10