子供用のギターの選び方
「子供にギターを買ってあげたいけど、どのギターが良いか分からない」とお悩みの方へ
子供が「ギターが欲しい!ギターを弾いてみたい!」と言ってきたけど、
どんなギターが良いか分からない保護者の方へ「子供用のギターの選び方」をお教えしたいと思います。
子供用のギターの購入を考えている親の悩み
① 親にギターの知識が無く、色々と調べたけれども種類が多過ぎてどれを買えば良いのか分からない。
② そもそも子供は何歳からギターを弾けるの?
③ エレキギターとクラシックギターとフォークギターの違いは何?
④ 購入してすぐに子供はギターは弾けるようになるの?
これらのお悩みは、これからお子さんにギターを買ってあげよう思っている親御さんに共通する悩みだと思います。
ギターの種類
ギターは大きく分けて3種類あります。
<フォークギター・アコースティックギター>
通称アコギと呼ばれるこのギターは3種類のギターの中で最も定番のギターと言えるでしょう。
鉄の弦(スチール弦)を張っており、ギター本体もやや大きめです。
数々のアーティストの方々がこのアコギを使用しています。
ちなみにこのギターの正式名称はフォークギターです。
アコースティックギターの「アコースティック」とは「生の」という意味ですので、
次に出てくるクラシックギターも実は大きな枠組みではアコースティックギターに入ります。
ただし、世間一般には「アコギ」といえばこのフォークギターの事を指します。
アコースティックギター(フォークギター・クラシックギター)
指、又はピックを用いて演奏します。
アーティストではYUI、福山雅治、大原櫻子、さだまさし、押尾コータローさんなどのギタリストが使用しています。
主にギターを弾きながら歌うJ-POPやギターソロを弾く時に使用します。
<クラシックギター>
クラシックギターは中学校や高校の音楽の授業で弾いたことがある方もおられると思います。
ナイロンで出来た弦、ナイロン弦を張ってあるクラシックギターはその昔、ガット弦が張っていた時代があったので、
ガットギターと呼ばれることもあります。「ガット」とは羊の腸という意味で、羊の腸を乾燥させて加工した弦がガット弦ですが、
現在のクラシックギターにガット弦を使用する事はほとんどなく、すべてナイロン弦を使用しています。
クラシックギターはその名の通り、クラシックの曲を演奏する時に主に使用されます。
指のみで演奏します。
クラシックギターの為に書かれたクラシック曲は多数ありまして、例えばベートーベンとほぼ同時代の作曲家では、
ジュリアーニ、ソルがいます。シューベルトは非常に生活が貧しい時、ピアノを売り払いクラシックギターで作曲していたとも言われています。
現代では武満徹、アンドリュー・ヨークなどが有名です。
アンドリュー・ヨーク作曲「ムーンタン」 演奏 西尾純平
アーティストでは村治佳織さん、大萩康司さんなどが使用されています。
ちなみに小野リサさんなどのボサノバ音楽を演奏する時もクラシックギターを使用します。
<エレキギター>
エレキギターはその名前の通り電気の力で音を出すギターです。
エレキギター専用のスチール弦(鉄弦)が張ってあります。
通常は、アンプと呼ばれる音を増幅させる機械に接続して使用します。
エレキギター単体では音は、か細くなる為にエレキギターにシールドと呼ばれる電気コードを接続し、シールドをアンプに接続します。
フォークギターやクラシックギターは通常は指で弾くのに対して、
エレキギターはピックと呼ばれる物を右手の親指と人差し指に挟んで弦をはじいて演奏します。
※フォークギターでもピックを使用する場合があります。
エレキギターは主にロックなどのバンド形式の音楽で使用します。
有名なバンドは、X-JAPAN LUNA SEA BOOWYなどです。
有名なギタリストでは、HIDE 布袋寅泰さんが使用されています。
子供にはどのギターから始めさせるのが良いか
どのギターでもお子様の好きなギターで始められたら良いとは思いますが、私のお勧めはクラシックギターです。
特に年齢が若ければ若いほどクラシックギターが良いと思います。その理由をお伝えします。
① フォークギターは弦が非常に硬いので、手の力がないお子様には弦を押さえる事が難しい。(弦を押さえたら痛がります)
② エレキギターは弾くジャンルが限られている。
③ エレキギターはアンプ、シールド、ピックなどギター以外に買わなければならない物がある。
④ エレキギターは小さなお子様には少し難しい。(ピックを使用してギターを弾く事が難しい)
⑤ クラシックギターはナイロン弦なので、手の力がないお子様でも弦を押さえる事が出来る。
上記に書いてある事は実際に体感してみないとご理解頂けないかもしれませんので、楽器店に行って実際に試し弾きしてみて下さい。
もちろん西尾ギター教室には全てのギターを置いてありますので試奏は可能です。
子供は何歳ごろからギターが弾けるの?
年齢が若ければ若いほど、小さなお子様の手は小さいのでギターを弾く事は難しいと言えます。
ギターが弾ける年齢は通常は4歳から、どんなに若くても3歳半からだと言えます。
手が小さく、また手の力も無い為に、きちんと弦を押さえる事が出来るギリギリの年齢が3歳半~4歳以上だと言えるでしょう。
これは私の経験によるものです。実は過去に2歳のお子様にレッスンをした事がありますが、やはり3歳半以上にならないと、
ギターを弾く事は難しかったです。
小さなお子様がギターを弾く上でとても重要な事があります。
それはギターの大きさです。上記の画像のギターは全て大人用の通常サイズになり、体の小さなお子様にとっては抱えることも難しいでしょう。
そこで、小さなお子様には小さいサイズのギターが販売されていますので、こちらをご購入して下さい。
<YAMAHA ギタレレ>
弦長433mm(43cm)のミニギターです。だいたい3歳半~8歳くらいまでのお子様が弾ける大きさです。
<YAMAHA ジュニアギター>
画像では分かりにくいかと思いますが、弦長580mm(58cm)のジュニアサイズのギターです。
だいたい9歳~12歳くらいまでのお子様が弾ける大きさです。
13歳以上は、体の大きさにもよりますが大人用のギター(弦長650mm)で良いと思います。
購入したらすぐに弾けるのか?
結論から先に言います。親御さんがギターを弾けないならば絶対に無理です。
例えばピアノはドレミファソラシドの鍵盤が順番に並んでおり、ドから順番に弾けば音は出ますが、ギターは違います。
ピアノはポン!と指で押せば音は出ますが、ギターは左指で弦をきちんと押さえて、右指で弾かねばなりません。
ピアノは楽器を購入した段階で調律してあり、音がきちんと合っている状態から弾く事が出来ますが、
ギターはとても繊細な楽器なので、楽器店で購入して家に持ち帰って弾こうとした時に調律(チューニング)が狂っている事が多々あります。
ギターは温度や湿度の変化によって、音がすぐに変化する楽器なのです。
もしかしたら購入の段階で、お店がきちんと調律(チューニング)しないままにギターを販売することもあります。
特にネット通信販売で購入したギターは100%調律(チューニング)が狂っています。
その為にも、まずは購入した時に楽器店にきちんとチューニングして貰えるように頼んで下さい。
そして出来ればチューニングメーター(チューナー)を併せて購入して下さい。
※チューナーの使い方を必ず楽器店の人に教わって下さい!
後日、私が別のコラムで「チューナーの使い方」をご説明したいと思います。
出来ればギター教室に通いましょう
出来ればお子さんが「ギターを弾けるようになりたい!」と言った段階で、ギター教室の体験レッスンに行ってみて下さい。
そしてギター教室の先生にギター購入のアドバイスを貰って下さい。
ただし、悪いギター教室は裏で楽器店と繋がっており、安物の悪いギターを高く売りつけるギター教室も存在するので注意が必要です。
また別のコラムで「良いギター教室の選び方」と題しましてお答えしたいと思います。
公開日: