大概の事は知恵と工夫で乗り切れる

金曜日の夕方に小学生の生徒さんにレッスンをしました。
レッスンが終わり、ひと息ついて漫画でも読もうかと思い、ソファーに腰を下ろした瞬間、先程の生徒さんのお母様から電話がありました。
「西尾先生、帰ろうとしたら、西尾ギター教室の真裏の道で、とある車が溝にはまって脱輪し、動かなくなっており、道が塞がれて帰れません。別のルートはありますか?」
私は直ぐに生徒さんのお母様のもとに行き、別のルートを提示して生徒さんとお母様は無事に帰って行かれました。
私は溝に嵌って脱輪した車の所に行きました。
運転していたのは恐らく70代後半〜80代のお爺さん。
誤って脱輪したのでしょう。左前の車輪が側溝に落ちて脱輪し、身動きが取れなくなっていました。
お爺さんに「大丈夫ですか?」と声を掛けると「脱輪して、なんとかしようとしたけど、どうしようも出来ない。助けて下さい」と懇願されました。
私は過去に一度だけ、近所の人が車を側溝に落として脱輪したのを救出した経験があります。
今回もなんとかやってみようと思い、お爺さんに「とりあえずなんとかやってみます。それでダメならJAFを呼んで下さい」と伝えました。
車を見るとTOYOTAのプリウス。
プリウスはFF車です。即ち前輪駆動。エンジンの力が前輪に加わり、走り出すのがFF車です。
反対にTOYOTA86などのスポーツカーはFR車です。こちらは後輪駆動。
SUBARU インプレッサなどは4WDなので前輪後輪共に駆動します。
先ずは車種を見て、判断出来なければなりません。
私はこのような知識はアニメ、頭文字Dで学びました。
私は家に戻り、ブロックを2つ持って行きました。
側溝の下、脱輪したタイヤの下にブロックを2つをカマして、段差をつくりました。
お爺さんに、
「まずはブレーキを踏み、ギヤをリバースに入れてからゆっくりとブレーキから足を離して下さい。クリープ現象でブロックに乗り上げたら側溝から出られるかもしれません」
お爺さんに指示を出しましたが、ブロックの手前で左前輪が空回りするだけで、二つ目のブロックの上に乗り上げれない事が分かりました。
私は考えました。
一つ目のブロックの上に少し小さめのレンガをかまし、そのレンガの上に車輪が乗れば、その後に二つ目のブロックに乗るのではないか?
私は一旦帰宅して、レンガを2つ持ってきました。
脱輪したタイヤの真下に一つ目のブロックを置き、ブロックと車輪の角にレンガをかまして、レンガの横に二つ目のブロックを置きました。
お爺さんに、
「ギヤはリバース、ブレーキを踏み、ゆっくりとブレーキから足を離して行って下さい」
上手い具合にタイヤがブロック、レンガ、ブロックの順番に登って行きました。そしてようやくタイヤが地面に乗りました。
再び脱輪したら、全てがふりだしに戻ります。
私はお爺さんに、
「まずはブレーキを踏みながら、ギヤをドライブに入れて下さい。そうしたらハンドルを右に極限まで切って下さい。その後、ゆっくりとブレーキから足を離して下さい」
車は脱輪する事なく、無事に地面に到達しました。
「ストップ!ギヤをパーキングに入れてサイドブレーキを引いて下さい、それが出来たら車から降りて来て下さい」
お爺さんが降りて来て、左前輪タイヤが元に戻った事を確認した瞬間、お爺さんの目から大量の涙が溢れて来て、私に抱きついて来ました。
「お兄さん、ありがとう!!ほんまに感謝やわ!」
握手を求められたので握手をした時に、お爺さんの娘さんが現れました。
恐らくお爺さんは娘さんに助けを求めて電話したのでしょう。
娘さんからも「ありがとうございました」と言われました。
私が今日、感じた事はこの投稿の画像のセリフにもあるように、
「知恵と工夫が必要。大概の事は身近な物で対処出来る」という事です。
この画像は漫画「ファブル」の1シーンから抜粋しました。
これは人生に於いても同じ事が言えます。
どんなに厳しい状況でも知恵と工夫でなんとか現状を打破しなければなりません。
考える事、そして試してみる事、行動する事。
この事がとても重要だと私は経験から学んでいます。
併設する西尾ピアノ教室には120名の生徒さんが習いに来られています。
ここまでの生徒数にするまでに、私がどれほどまでに考え、行動し、失敗を繰り返して来たか。
その経験から学び、反省し、トライ&エラーを繰り返して来ました。
知恵と工夫、そして行動する事がやはり人生に於いて大切な事だと改めて感じました。
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