第68回九州ギターコンクールを終えて PART1
去年、関西では絶大なる人気バラエティー番組「探偵!ナイトスクープ」に出演させて頂きました。
「人生で一番後悔した事」というタイトルで私は探偵のカンニング竹山さんからインタビューを受けて「家内にプロポーズをしなかった事」と答えました。
番組内では竹山さんに促され、20年越しのプロポーズをさせて頂き、反響も凄まじく私もとても嬉しかったです。
去年の6月30日に放送され、私もリアルタイムでテレビを見ました。
放送終了後に私は改めて「自分にとって、人生で一番後悔している事はなんだろうか?」と問いました。
ある日、部屋を掃除していると小学校時代の通知表が出てきました。小学6年生の当時の担任の伊藤博司先生の言葉に非常に心を打たれました⬇️
「自分の心に勝とうとする勇気と根性を身に付けて下さい」
小学校を卒業してから30年以上が経ちましたが、未だに「自分の心に勝とうとする勇気と根性はない」と思いました。
「自分が人生で1番後悔している事は何だろう?」と考える日が続きました。
答えはすぐに見つかりました。
それは「第55回九州ギターコンクールの二次予選で演奏がボロボロになって敗退し、心が折れてコンクール挑戦を諦めた事」
この事が私にとって、「人生で一番後悔した事」であります。
「来年、もう一度、九州ギターコンクールに挑戦してみようかな」と思い始めたのが11月頃。
12月になり、2024年8月4日に開催される九州ギターコンクールの課題曲を見て、私は思いました。
「一次予選はまず大丈夫だろう。問題は二次予選と本選の課題曲だな」
私は一次予選の課題曲と二次予選の課題曲は後回しにして本選の課題曲、バッハ作曲のリュート組曲第3番プレリュードから練習する事にしました。
年末年始6日間の休みの間、1日10時間ギターを練習しました。
何とか6日間で暗譜する事が出来ましたが、やはり暗譜しただけ。これでは全く駄目だと思い、兎に角まずは滑らかに弾けるように練習しました。
右手、左手の運指を決めて何度も悩みながら練習しました。同時に毎晩、家内に演奏を聴いて貰いアドバイスを受けました。
この間もコンクールを受けるかどうかの最終決定は先送りにしていました。先ずは課題曲が仕上がらない限り、無理だと思いひたすら練習を重ねました。
1月〜4月は毎朝起きてから午前中寒い中、ピアノ教室のチラシを3〜4時間ポスティングしました。
昼過ぎに帰宅して昼食を食べてから夕方まで3時間練習し、夕方から午後22時までレッスンをし、22時から午前01時まで3時間、合計6時間練習しました。
本当に毎日が地獄でした。睡眠、食事、風呂、トイレ、レッスン以外は全ての時間をギターの練習に費やしました。
2月頃から二次予選の課題曲M.ジュリアーニ作曲の「センティメンターレ」を練習しました。
この頃から第68回九州ギターコンクールを受ける事を決意しました。
しかし何度も私を不安が襲ってきました。
「この歳でコンクールに挑戦してよいものか」
「恥をかくだけではないか」
「また予選でボロボロになったらどうしようか」
私の頭の中はネガティブな考えがグルグルと回り、不安は増す一方でした。
同時にこの頃、二次予選の自由曲と本選の自由曲を決めました。
二次予選の自由曲はL.ブローウェル作曲の「パスクィーニのトッカータ」これは私が第3位を受賞した第48回九州ギターコンクールの二次予選で弾いた曲でもあり、私が1番自信のある曲です。
そして本選の自由曲は最初、M.ジュリアーニ作曲の「英雄大ソナタ」とA.バリオス作曲「大聖堂の第3楽章」にしようと思いました。
英雄大ソナタは私のレパートリーでもあり、自信のある曲です。しかし大聖堂の第3楽章は何度練習してもミスが多く、私はある時点でこの曲を一旦諦める事にしました。
バッハと並行して練習していたのがM.C.テデスコ作曲の「ゴヤの24のカプリチョス」より「理性の眠りは怪物を生む」でした。
私はこの「理性の眠りは怪物を生む」を練習して、練習する度にこの曲が持つ音楽性、テデスコの天才的な作曲能力にただただ驚き、感動する毎日でした。
「理性の眠りは怪物を生む」この曲を練習して思った事は「私はこの曲を弾く為に今までギターをやってきたんだ」と思いました。
それ程までに感動し、この曲を本選自由曲にしようと決めました。ではその次の自由曲は何を弾くのか、これは直ぐに答えが出ました。
同じ作曲家M.C.テデスコ作曲「ソナタボッケリーニ讃歌第4楽章」を最後に弾こうと思いました。
二次予選 : 課題曲→センティメンターレ、自由曲→パスクィーニのトッカータ
本選 : 課題曲→リュート組曲第3番プレリュード、自由曲 : 理性の眠りは怪物を生む、ソナタボッケリーニ讃歌第4楽章
曲目は決定しました。私は6時間の練習と家内からのアドバイスを聞き、毎日ひたすら練習しました。ポスティングとギターの練習、そして毎日のレッスンの仕事は本当にハードでした。
4月末、家内からこう言われました。
「私からのアドバイスはここまで。最後はギタリストにレッスンを見てもらった方が良い」
私は悩みました。色々と悩みましたが、最終的に、ギタリスト岩崎 慎一先生にレッスンをお願いしました。
岩崎 慎一先生は私の想いを聞いて下さり、私にレッスンをして下さいました。
5月〜7月末まで約3ヶ月間、猛特訓して頂きました。レッスンも一回4〜5時間見て頂きました。
岩崎 慎一先生とはギター以外の話も沢山しました。
私は岩崎 慎一先生のレッスンを受けて、毎回凹み、しかし自らを奮い立たせて次回のレッスンまでには岩崎 慎一先生に教えて頂いた事を出来るようにして必ず練習してレッスンに行きました。
7月末の最後のレッスンで、岩崎 慎一先生にこう言われました。
「西尾君、よく頑張った。最後は順位に囚われず、自分の音楽だけに集中して演奏してね」
私は「ありがとうございました」と言いました。
長くなりましたので、次回のブログに続きます。ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回のブログはコンクールを実際に受けた事を書きたいと思います。
次回のブログをお楽しみにして下さい。
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