私が感激したギタリスト

18歳から始めたクラシックギターですが、当時は今みたいにインターネットも無い時代でしたので情報収集には苦労しました。

しかしながら私には有り難い事に大野朱美先生という関西のギター界のドンが師匠でしたので様々な事を教わりました。

大野朱美先生の偉大な功績の一つは大阪に世界的に活躍するギタリストを呼んでコンサートを主催されたこと。この事は後になってから大野先生の偉大さとギターに対する愛と後進の若手ギタリストの為に自ら犠牲となってコンサートを企画し、マスタークラスを主宰された事は本当に素晴らしい事だと思っています。

マヌエル・バルエコ、イョラン・セルシェル、ディビット・ラッセル、ロベルト・アウセル、ぺぺ・ロメロ、アルヴァロ・ピエッリ….数えればキリがありませんが、私が音大生だった25年前に世界的なギタリストの演奏を生で聞けた事は本当に有り難かった事だと思っています。

日本人では特に山下和仁さんの演奏を聴きました。

音大生だった頃はまだ世界的ギタリストの素晴らしさを理解するだけの能力が私にはなく、とりあえず「聴いただけ」ではありますが、先輩ギタリストが(例えば高さんや、橋口さん)がマスタークラスでレッスンを受けている様子は目の前で見ましたし、アルヴァロ・ピエッリ氏は私自らレッスンを受講させて頂きました。

本当に有り難い事だったと思います。

改めて大野先生の偉大さに気付かさせて頂きました。

時は流れて私も45歳になり、インターネット、特にYouTubeでの世界的ギタリストの演奏を目の当たりにし、「世界にはこんなに凄いギタリストがいるのか！！」と感激すると同時に自らの未熟さに嘆く毎日です。

中でも最近、最も感激したギタリストがいます。イタリアのギタリストでロレンツォ・ミケーリ氏です。

本当に素晴らしいギタリストです。出来る事なら私は彼にギターを習いたいと思う程、素晴らしいギタリストです。

技術面はもちろんの事、音色、音楽の作り方、間の取り方、曲の仕上げ方、全てが今まで聴いたギタリストの中で最高のギタリストだと私は思っています。

たまたま私が現在、M.C.テデスコ作曲「ゴヤの24のカプリチョス」より「どっちが首ったけ？」を練習しており、YouTubeで検索したらロレンツォの演奏が出てきました。

ロレンツォの演奏はこちら⬇️

本当に素晴らしい演奏です。圧巻な演奏だと思います。

私はすぐに英語でコメントを書きました。

「あなたの演奏は本当に素晴らしい。どこかの学校で教えていませんか？」

するとロレンツォから返信があり、「スイスの南部、ルガーノという町のConservatorio della Svizzera italianaで教えているよ」と返事がありました。

ロレンツォの演奏を聞いて、私とは天と地ほどの差があると痛烈に感じましたし、この音を出すのは日本人には無理なのでないかと思います。

それでも死ぬ前に一度で良いからロレンツォにギターを習いたいと本気で考えている毎日です。

私の挑戦と悩みは尽きそうにありません。