箕面市・豊中市の子供向けのギター教室です。

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悪魔の奇想曲

   

ユダヤ系イタリア人であるマリオ・カステルヌォーヴォ・テデスコ作曲の「悪魔の奇想曲」を私は現在練習中です。

1935年、セゴビアから「パガニーニ讃歌」を作って欲しいとテデスコは依頼され、テデスコはこの「悪魔の奇想曲」を作曲しました。

パガニーニは「悪魔に魂を売った」とも言われるほど、特にヴァイオリンの世界では有名な作曲家でもあります。

そんなパガニーニ讃歌「悪魔の奇想曲」を作曲したテデスコはどんな思いだったのだろうか?と練習しながら考える日々でもあります。

私自身、この曲を最初に知ったのは大阪音楽大学ギター科の先輩である高さんの演奏でした。

とても複雑な曲で、当時大学生だった私には理解するのには難しい曲でした。

次に聞いたのは山下和仁さん。この難曲を超高速で弾かれたのを目の当たりにして度肝を抜かれました。

そして私の先輩である國松さんがA.ゴーニのマスタークラスで弾いていたのを本当に覚えています。こちらも圧巻でした。

いつの日か、この「悪魔の奇想曲」を弾けるようになりたい!と思い、何度か挑戦してみては途中でその難しさに挫折した事は何度もありました。

この度、何とか最後まで暗譜する事は出来ましたが、やはり細かい部分ではまだまだ弾けていない所が多々あります。

セゴビアの為に書かれたこの「悪魔の奇想曲」でありますが、リコルディ社から出版されている、いわゆるセゴビア版を殆どのギタリストが弾いています。もちろん私もこのセゴビア版を使用しています。

所が最近になり、リコルディ社からジラルディーノ版が出版されました。およそセゴビア版と違い、テデスコが書いた原典版(ファクシミリ)だと思われます。

ジラルディーノ版を見ると、明らかにセゴビア版と違う所が随所に見られます。

代表的な箇所は、途中のトレモロになる部分の最初の低音がジラルディーノ版では低音が「ソ」になっています。

しかし、これは事実上演奏不可能です。この箇所はト短調になるので、当然始まりの音は「ソ」にテデスコはしたかったのでしょう。

しかしセゴビアはその事は重々承知の上で、低音を「レ」にしました。

そして極め付けは、ジラルディーノ版には掲載されていますが、Codaの部分を丸々1ページ分をセゴビアはカットしています。

弾いてみましたが、これは私の推測ですが、「恐らくセゴビアはこの箇所をクドい、しつこい」と感じて丸々1ページカットしたのだと思います。

そして最後のラ・カンパネラの箇所ですがジラルディーノ版は高音の「ミ」1弦12フレットが連続しています。

しかしセゴビア版は動きがあります。

私、個人的にはセゴビア版が良いと思います。

何でもかんでも「原典が正しい」と言うのは少し間違ってると思います。

現代の作曲家でセゴビアに依頼され、数々のギター曲を作曲したのはテデスコ、ダンスマン、ポンセ、などがいます。

彼らに共通するのは彼らはギターは好きだがギターは弾けなかった。だからセゴビアに曲は提供したけど、後はセゴビアに任せたのだと推測します。

セゴビアも苦渋の決断で低音を変えたり、1ページ丸々カットしたり、音を付け加えたり、逆に減らして、ギターで弾ける曲に手直しした。

テデスコはセゴビアの演奏をどのような気持ちで聞いたのか、今では分かりませんが、私はやはりセゴビア版でこれからも練習したいと思います。

何故ならセゴビア版でも十分に美しいですし、難しいです。ジラルディーノ版では弾けません。

ですから私個人の感想ではこの「悪魔の奇想曲」はセゴビア版が良いと思います。

そんな私自身、思い入れの強いこの「悪魔の奇想曲」をもっと練習して弾けるようになりたいと思う毎日です。

 - ギター教室への熱い思い

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